4月14日、中野サンプラザ。
100%占いで食べていくことは、ものすごく難しいと思う。
ましてや、20年という長い月日を「占い(=占星術)」を中心とした生活を送るなんて、誰にもできるものではありません。
松村潔先生の占星術講座で出会ったという「アマルティア5人娘」の先生方。デビューから幾星霜を経て、この日、後人のために登壇し「占いを20年続けるということの重み」をそれぞれに語ってくださいました。
松村潔先生といえば、多くの方が『最新占星術入門』を手にするところからその世界を体験しているかと思うのですが、その本のあとがきに
【田舎の犬は大事に育てられると20年生きますが】
という一文がありました。
本来は、ネット世界の発展があまりに短いことを表す「ドッグイヤー」という言葉からのこの一文だったのですが、まさに5人娘の皆さんもインターネットの発展の中で、「田舎の犬」のようにそれぞれ自由に、そして暖かく見守られながら育ってきたのではないかと思います。だからこそ、ネットの目まぐるしい発展のなかにあっても、それぞれのペースで個性をもって活躍を続けられたのではないか、と。時間と変化に左右され疲弊する「都会の犬」はきっとどこかで息切れして離脱してるかもしれません。
それにしても、インターネットがなかったら、私はこの5人の先生方に出会うことができたのだろうか? とふと思うのです。
この5人が出会った1999年、私は出版社で「星占い」のページの編集を担当していました。あの頃は日々の雑務に追われていて、占いページの仕事はあくまで数多く手がけている企画のひとつでしかなく、知的好奇心をくすぐるには十分すぎるくらいに魅力的なコンテンツであっても、自分が勉強する、ましてや人を占うなどとはまったく考えにも及びませんでした。
かたや新宿では、のちの占星術界を牽引する4人が出会い、研鑽を積んでいるわけです。このときに私にも占星術への好奇心がもっとあれば、眼の前の「星占い」記事の奥にある広大な世界観の中で生きやすさみたいなものも感じられたのかな、とふと考えたりもするのですが、何よりも編集の仕事が楽しかったのだから仕方ない。ならば占星術に出会い、占星術に関する執筆や鑑定の仕事に携わる今、その広大な世界を死ぬまで堪能してやろうという気持ちになるのです。
20年という年月、私達の生活は大きく変わりました。ホロスコープも手元のスマホでサクッと出すこともできますし、無料の占いサイトも掃いて捨てるほどある上、お手軽にチャットや電話でプロ占い師に占ってもらうことも可能です。今や占いは、占いビジネスはとんでもないレッドオーシャンです。生き残りをかけた仁義なき戦いが繰り広げられています。
そんな中でもトップランナーとして活躍されている5人のアマルティアたち。せめてその後姿を見失わないよう、軌跡を追い続けていきたいと思う次第です。
皆さまのお写真を取り忘れたので、先を照らす星の光ということで、マカロンタロットの星のカードを添えさせていただきます。
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